「よかった、生きている」北アルプスで400メートル滑落し大けが 九死に一生を得た東京都の男性 救助待つこと2日間 雪の中でどう生き延びた?長野
信越放送4月のゴールデンウイークに北アルプス・大天井岳(おてんしょうだけ)で遭難し、雪深い山で2日間、命をつないだ男性がSBCの取材に応じました。 【写真を見る】遭難した男性「一番は運が良かった。そして…」 残雪の上を歩く、県警の山岳遭難救助隊。 現場は北アルプス大天岳の標高およそ2300メートル地点です。 4月30日、遭難した男性をヘリコプターから発見し、救助に向かいました。 救助隊:「けがしてるかな?」 男性:「左手首骨折、右足骨折」 救助隊:「よくがんばりました。ごめんね遅くなって」 男性:「申し訳ないです。ありがとうございます」 救助されたのは東京都の会社役員の40代男性。 4月27日に仲間と2人で上高地から入山して常念小屋に一泊。翌28日、大天井岳に登頂して下山をし始めるとー。 遭難した男性:「今年は積雪が多かったので、下山できる道が全く見えない状況、ここは下りれないからルートを変えようと判断して」 想定外の残雪に予定していたルートを変更。 いったん大天井岳の山頂に戻ろうと雪深い斜面を横断していた時でした。 遭難した男性:「2750メートルくらいまで登った時に滑落した」 はじめは、うつ伏せでの状態で滑り落ちましたが・・・ 遭難した男性:「うつ伏せから仰向けになった途端、斜面が急になり始めてスピードが一気に出てどんどん滑ってしまった、自分でもそこからは止められない」 斜面に体を打ちつけながら、でんぐり返しを繰り返すように落ちて行きました。 遭難した男性:「このまま死ぬなと思った、落ちているときに。でも死にたくない、絶対に死にたくないと思ったのでとにかく頭を押さえて」 斜面が緩やかになり、仰向けで止まった時には周りの雪は自分の血で真っ赤に染まっていたといいます。 およそ400メートル下まで滑落しましたが、その時間はわずか2分ほどでした。 遭難した男性:「やっと止まった。よかった、生きてると思って」 しかし、左手首と右足の激痛に襲われます。 持っていた鍋で掘った穴に座り、リュックの中に入っていた簡易テントで体を覆い、持っていたガスバーナーで暖をとったといいます。 滑落した男性:「テントをずっとかぶって、そのテントの中で雪を溶かしてお湯を沸かして温まって」