夏の山岳遭難、過去最多の808件 山別では富士山、立山の順に多く
北アルプスの「パノラマ銀座」から見た穂高連峰。雄大な景色が登山者を引きつける=2024年8月、吉沢龍彦撮影 全国で今年7~8月に起きた山岳遭難は昨年同期比148件増の808件で、遭難者数は181人増の917人に上った。いずれも統計が残る1968年以降で最多だった。警察庁が16日に発表した。 【写真】7~8月の山岳遭難の推移。件数、遭難者数とも過去最多を記録した 同庁によると、遭難者のうち死者は昨年と同じ48人、行方不明者は2人増の6人、負傷者は84人増の409人だった。遭難の原因は転倒や道迷いが目立った。 山岳遭難の発生件数を山別に見ると、富士山34件、北アルプス立山31件、北アルプス穂高連峰29件の順に多い。都道府県別では長野143件が最多で、富山90件、山梨51件が続いた。 遭難者全体の7割は登山届を事前に出していなかった。不十分な装備で無理な計画を立てる登山者も多いといい、警察庁は、それぞれの体力や経験に見合った山を選択し、十分な装備をしたうえで登るように呼びかけている。 一方、同時期の水難事故は446件で前年同期より42件減った。水難者数は66人減の535人で、うち死者が235人、行方不明者が6人だった。死者・行方不明者の2割超は、魚捕りや釣りをしていたという。このほか、水遊び16.2%、水泳11.2%などがあった。(板倉大地)朝日新聞社