Dark mode switch icon Light mode switch icon

「晴れていてもガスがかかる」夏場の鳥海山 登山地図と予備バッテリーの備えを 専門家に聞く

山形放送秋の行楽シーズンを迎え山形県内の山々は登山客が増える時期になっています。一方で9月、鳥海山では小学生ら3人がひと晩、行方不明になるなど山岳遭難の発生も懸念されます。山を安全に楽しむポイントを専門家に聞きました。 9月15日、遊佐町の鳥海山に登山で入った東京都の30代の男性とそのめいとおいにあたる酒田市の小学生のきょうだいが行方不明になりました。翌朝、3人は捜索隊に無事救助され下山することができました。男性ら3人は霧が濃くなって道に迷い、夜は登山道から少し離れた風の当たらない場所を選んで一緒に過ごしたということです。 鳥海山とはどのような山なのか、この山に詳しい専門家は次のように話しています。 鳥海山登山ガイド協会 佐藤正俊会長「夏場は特に日本海の海水温が上昇していますから湿った空気が山の方に風で押されて上の方で雲がわく。晴れていてもガス(霧)がかかるというのは鳥海山も含めて他の山でもあると思う。」 3人はこの日、男性の兄で小学生2人の父親ともう1人の女の子とともに合わせて5人で秋田県側の鉾立口から鳥海山に入り、山頂まで登った後、下山途中に男性と小学生2人が遅れて男性の兄と女の子1人が先に下山しました。その後、下山が遅れた3人が遭難しました。 鳥海山登山ガイド協会 佐藤正俊会長「御田ケ原の分岐を左に行ってしまった登山道の石畳には消えかけていますけど御浜という矢印もついて道標もあるはずです。この間の条件で言えば遅れた人たちを分けたのが最悪。一緒に行けば多少なりもう一つの山小屋御浜小屋に到達できればそこで一夜を明かすという手段も考えられる」 5人は鳥海山への登山が今回初めてで、レインウエアや食料、飲料水は持っていましたが、登山地図や携帯の登山アプリなどは持っていませんでした。 鳥海山登山ガイド協会 佐藤正俊会長「登山の地図とコンパス(方位磁石)いまはスマートフォンのアプリがありますから登山道を外れないように下準備は必要だと思います」 このほか日没も早まることから足元を照らすヘッドライト、スマートフォンの予備バッテリーも持ってほしいという事です。これから紅葉シーズンを迎え佐藤会長は、登山客らに余裕を持った計画を立て地図や食料、防寒具などの装備を整えて山を楽しんでほしいと呼びかけています。