富士山の遭難死、静岡県側は今夏ゼロ…遭難者数は前年比28人減の36人・入山規制の効果か
1/2閉山前最後の週末も、多くの登山客でにぎわった富士宮口(9月6日、静岡県富士宮市で)富士山開山期の山岳遭難発生件数と遭難者数 静岡県警は18日、富士山の開山期(7月10日~9月10日)の静岡県側の山岳遭難の発生状況を発表した。遭難者数は前年比で28人減の36人、死者・行方不明者は6人減の0人だった。県警は今夏から始まった入山規制や登山ルールなどの事前学習の効果で安全な登山への意識が高まった可能性があるとみている。 県警地域課によると、遭難者36人のうち負傷者は重傷者5人と軽傷者10人となった。登山ルート別にみると、例年最も登山者数が多くなる富士宮ルートが19人となり最多だった。居住地別では、県外や国外に居住する遭難者が33人となり約9割を占め、外国籍の遭難者は12人だった。 遭難理由では「転倒」「病気」「疲労」で9割以上を占めた。遭難者の多くは装備は整えていることが多かったといい、県警は「体力に見合った登山をしてほしい」と呼びかけている。 一方、水難事故件数は増加した。7~8月の水難事故者は前年比9人増の27人で、死者は5人増の12人、負傷者は2人増の3人だった。今夏は8月2日に高校生2人を含む計4人が死亡するなど、水難事故の「多発警報」が2年ぶりに全県に発令されるなどした。 事故者の約4割が「水泳・水遊び」だったほか、居住地別には約7割が「県外(国外含む)居住者」だった。