神奈川の山岳遭難、2024年は過去最多に 「危険認識し、しっかり計画立てて」連休前に注意喚起
県内の山岳遭難、水難事故の発生状況 外出の機会が増えるゴールデンウイークを前に、県警は2024年の山岳遭難と水難事故の発生状況(暫定値)をまとめた。山岳遭難は前年比4件増の183件で、死者は11人減の4人だったが、遭難者数は5人増の209人に上り、統計が残る1973年以降、最多となった。水難事故は42件で遭難者数52人、死者17人となっており、いずれも前年から減少した。県警の担当者は「自然の危険性を認識し、しっかり計画を立てて行動してほしい」と注意を呼びかけている。 県警地域総務課によると、昨年の山岳遭難者を様態別で見ると、疲労が57人(前年比4人増)で最も多く、道迷いが41人(同14人減)、転倒が40人(同8人増)と続いた。年代別では50代以上が約6割を占めた。 死亡事故は、昨年3月に表丹沢の大倉尾根で70代男性が病死した事案や、同11月に大山の女坂で下山中の60代男性が滑落して死亡した事案などがあった。 遭難した人のうち、登山届を提出していたのは1割超にとどまっていたといい、同課は「無理のない計画を立てて登山届を提出してほしいし、健康状態の確認も大切」と注意を促す。遭難事故の大半は疲労がたまる下山中に起きていることから「最後まで気を抜かないで」とし、万一のためにヘッドライトやモバイルバッテリーなどの携行も呼びかけている。神奈川新聞社